天ざるそば 三日月 ― 2022年09月28日
先日久しぶりに味わいの里三日月で美味しいおそばをいただいた。
天ざるそばを注文
蕎麦は、縄文時代から食べられていたことが分かっており、今のような蕎麦切りは江戸時代初期に確立したようだ。
江戸前の四天王と言えば、蕎麦、鰻、天ぷら、寿司
その時代、蕎麦や天ぷらは屋台で売られており、ある客がどちらも食べたいと思い、かけそばに天ぷらを乗せて食べたところ、うまいと言って広まったらしい。
味わいの里の蕎麦は、先ず、鮫皮おろしでワサビをおろすところから
のの字にすりおろすとツンと鼻に抜けるワサビの爽やかな香りがたまらない。
生本わさびは、汁に入れてしまうと香りと辛味が薄れるので、その都度蕎麦麺につけていただく。
麺は、きりっとしまった麺で歯ごたえもよく、蕎麦の香りが広がり、のどにつるっと滑り込む食感がいい。
また、蕎麦湯をポットであらかじめ出してもらえるので、タイミングよく蕎麦湯もいただける。
蕎麦は本草綱目によると
気味:甘平寒にして無毒
主治:腸胃を寛し、気力を益し、精神を續き、能く五臓の滓穢を練る
五臓の滓穢を取ることから、本草綱目に「一年の沈積が腸、胃に在るには、これを食べればやはり消し去る」記されており、胃腸の大掃除に大晦日に飛べるようになったという説も
蕎麦を食べ終わると蕎麦湯を飲むということは現代の栄養学からも理にかなっており、今注目のルチンは水溶性なので茹でた湯の中に溶け込んでいる。それを飲むという先人の叡智には感服する。
本朝食鑑にも蕎麦湯について
「蕎麦を食べた後に、この湯を飲まねば必ず中傷される」
「たとえ多食して飽脹しても、この湯を飲むと害はない」とある
また、蕎麦は低GI値食品で糖尿病や生活習慣病が気になる人にはお勧めの食材。
何と言っても味わいの里三日月は、佐用町特産の蕎麦を使い、生本わさびが提供される。大抵は、ホースラディッシュを着色した物が多い。
【ワサビ】 アブラナ科の多年草で日本特産の香辛料
気味:辛温
主治:鬱を散らし、汗を発し、風を逐い、湿を滲みだし、積を消し、痞を消す。魚鳥の毒を解し、蕎麦の毒を殺す。
まさに辛温の気剤の特徴的な働きを網羅している。
蕎麦は、毒気はないが多分、気が寒で体を冷やすので辛温のワサビがその寒を相殺する意だと思う
ワサビの根茎には配糖体シニグリンが含まれ、すりおろし細かく細胞が壊れると共存している酵素ミロシナーゼによって加水分解されアリルイソチオシアネートという辛味成分に変化する。それには鮫皮おろしが最適で、おろすときめ細やかでクリーミーで香り高いワサビとなる。
もうすぐすると新蕎麦のシーズン到来、楽しみである。
蕎麦茶(佐用町特産)を使った薬膳粥はこちら 日々塩梅
天ざるそばを注文
蕎麦は、縄文時代から食べられていたことが分かっており、今のような蕎麦切りは江戸時代初期に確立したようだ。
江戸前の四天王と言えば、蕎麦、鰻、天ぷら、寿司
その時代、蕎麦や天ぷらは屋台で売られており、ある客がどちらも食べたいと思い、かけそばに天ぷらを乗せて食べたところ、うまいと言って広まったらしい。
味わいの里の蕎麦は、先ず、鮫皮おろしでワサビをおろすところから
のの字にすりおろすとツンと鼻に抜けるワサビの爽やかな香りがたまらない。
生本わさびは、汁に入れてしまうと香りと辛味が薄れるので、その都度蕎麦麺につけていただく。
麺は、きりっとしまった麺で歯ごたえもよく、蕎麦の香りが広がり、のどにつるっと滑り込む食感がいい。
また、蕎麦湯をポットであらかじめ出してもらえるので、タイミングよく蕎麦湯もいただける。
蕎麦は本草綱目によると
気味:甘平寒にして無毒
主治:腸胃を寛し、気力を益し、精神を續き、能く五臓の滓穢を練る
五臓の滓穢を取ることから、本草綱目に「一年の沈積が腸、胃に在るには、これを食べればやはり消し去る」記されており、胃腸の大掃除に大晦日に飛べるようになったという説も
蕎麦を食べ終わると蕎麦湯を飲むということは現代の栄養学からも理にかなっており、今注目のルチンは水溶性なので茹でた湯の中に溶け込んでいる。それを飲むという先人の叡智には感服する。
本朝食鑑にも蕎麦湯について
「蕎麦を食べた後に、この湯を飲まねば必ず中傷される」
「たとえ多食して飽脹しても、この湯を飲むと害はない」とある
また、蕎麦は低GI値食品で糖尿病や生活習慣病が気になる人にはお勧めの食材。
何と言っても味わいの里三日月は、佐用町特産の蕎麦を使い、生本わさびが提供される。大抵は、ホースラディッシュを着色した物が多い。
【ワサビ】 アブラナ科の多年草で日本特産の香辛料
気味:辛温
主治:鬱を散らし、汗を発し、風を逐い、湿を滲みだし、積を消し、痞を消す。魚鳥の毒を解し、蕎麦の毒を殺す。
まさに辛温の気剤の特徴的な働きを網羅している。
蕎麦は、毒気はないが多分、気が寒で体を冷やすので辛温のワサビがその寒を相殺する意だと思う
ワサビの根茎には配糖体シニグリンが含まれ、すりおろし細かく細胞が壊れると共存している酵素ミロシナーゼによって加水分解されアリルイソチオシアネートという辛味成分に変化する。それには鮫皮おろしが最適で、おろすときめ細やかでクリーミーで香り高いワサビとなる。
もうすぐすると新蕎麦のシーズン到来、楽しみである。
蕎麦茶(佐用町特産)を使った薬膳粥はこちら 日々塩梅
晴耕雨読 腹証奇覧 ― 2022年04月24日
稲葉文礼が1799年に著した腹証奇覧
この中に芍薬甘草湯について
「芍薬、拘攣を治し」とあり
現在では、こむら返りの特効薬として芍薬甘草湯が処方される。
春にはぎっくり腰、寝違い、足の筋肉がつるなどの症状が起こりやすい。
まさに五行説「春ー肝ー筋」の現わすとおり。
そんな芍薬の花のつぼみが膨らみ始めた。
この中に芍薬甘草湯について
「芍薬、拘攣を治し」とあり
現在では、こむら返りの特効薬として芍薬甘草湯が処方される。
春にはぎっくり腰、寝違い、足の筋肉がつるなどの症状が起こりやすい。
まさに五行説「春ー肝ー筋」の現わすとおり。
そんな芍薬の花のつぼみが膨らみ始めた。
ちょっと低山登山(愛宕山) ― 2021年11月16日
キキョウ一番咲き ― 2021年07月02日
ギボウシ白覆輪の花 ― 2021年06月27日
大深当帰の花 ― 2021年06月01日
当帰は、日本漢方の重要生薬の一つで、江戸時代から奈良大和大深地方で栽培されてきた。
江戸時代から、大深では品質の高い当帰を製造するために栽培方法から修治方法まで様々な研究がなされ、最高品質の当帰が産出されるようになり、一時は中国にも輸出されていた。
近年、若手の栽培家によって伝承の品質の高い当帰を継承発展させようとする活動が始まり、今まで活用されてこなかった葉の部分の利用も開発されてきている。
縁あってそんな大深当帰の種をいただき、大切に栽培を始め2年目で開花となった。
一粒のほんの小さな種から、人の病の克服に役立つ生薬が生まれる。
先人のたゆまぬ努力に思いを馳せながら、白いレースのような当帰の花をしばし愛でる。
江戸時代から、大深では品質の高い当帰を製造するために栽培方法から修治方法まで様々な研究がなされ、最高品質の当帰が産出されるようになり、一時は中国にも輸出されていた。
近年、若手の栽培家によって伝承の品質の高い当帰を継承発展させようとする活動が始まり、今まで活用されてこなかった葉の部分の利用も開発されてきている。
縁あってそんな大深当帰の種をいただき、大切に栽培を始め2年目で開花となった。
一粒のほんの小さな種から、人の病の克服に役立つ生薬が生まれる。
先人のたゆまぬ努力に思いを馳せながら、白いレースのような当帰の花をしばし愛でる。
身近な金銀花 ― 2021年05月19日
千種川沿いに走る道路から
目に飛び込んだのは
山際に咲く金銀花
初夏に2個ずつ対になって咲き、最初は、白色の花弁が2~3日すると黄色の花へと変化する。
白色と黄色を金銀になぞらえ金銀花と呼ばれる。
漢方薬では、茎葉を「忍冬」として、蕾を「金銀花」として 解熱、解毒、消炎、利尿目的で使います。
【薬味薬性】
忍冬:甘温 水剤
金銀花:辛平 水剤
ともに同じ効能を目的に漢方薬に配合される。
【名医別録】には
「味甘にして温、無毒、寒熱による身腫を主治する。久しく服すれば身を軽くして年を長くし年齢を益する」とあり
忍冬を配合した処方には、紫根牡蛎湯、治頭瘡一方など
金銀花を配合した処方には、荊防敗毒散、千金内托散、五物解毒湯などがある。
紫根牡蛎湯、治頭瘡一方、五物解毒湯は、江戸時代に日本の医家によって創薬された日本独自の漢方薬で、忍冬(金銀花)は解毒、消炎作用にたけることから同じように解毒、消腫作用にたけた紫根を組み合わせた紫根牡蛎湯は、昔から乳がん、乳腺炎に多く用いられその効を発揮してきた。
身近な所にも先人の足跡をたどる気づきがある。
目に飛び込んだのは
山際に咲く金銀花
初夏に2個ずつ対になって咲き、最初は、白色の花弁が2~3日すると黄色の花へと変化する。
白色と黄色を金銀になぞらえ金銀花と呼ばれる。
漢方薬では、茎葉を「忍冬」として、蕾を「金銀花」として 解熱、解毒、消炎、利尿目的で使います。
【薬味薬性】
忍冬:甘温 水剤
金銀花:辛平 水剤
ともに同じ効能を目的に漢方薬に配合される。
【名医別録】には
「味甘にして温、無毒、寒熱による身腫を主治する。久しく服すれば身を軽くして年を長くし年齢を益する」とあり
忍冬を配合した処方には、紫根牡蛎湯、治頭瘡一方など
金銀花を配合した処方には、荊防敗毒散、千金内托散、五物解毒湯などがある。
紫根牡蛎湯、治頭瘡一方、五物解毒湯は、江戸時代に日本の医家によって創薬された日本独自の漢方薬で、忍冬(金銀花)は解毒、消炎作用にたけることから同じように解毒、消腫作用にたけた紫根を組み合わせた紫根牡蛎湯は、昔から乳がん、乳腺炎に多く用いられその効を発揮してきた。
身近な所にも先人の足跡をたどる気づきがある。
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